ホラー漫画なんかで目が真っ黒な人間が描かれることってあるじゃないですか。あれってなんであんなに怖いんでしょうね。
ちょうど冒頭で挙げた画像のような感じの目のことです。僕の画力が拙いばかりに怖さを伝えきれないのが残念ですが、イメージは掴んでいただけると思います。
ただ目が黒いだけなのになんでこんなに怖いのか考えてみました。
人間の目の白い部分が果たす役割
学生時代、生物に関する授業でのことです。
「人間の目に白い部分があるのは実は意味があって、白い部分があることで瞳の動きが可視化され、視線がどちらを向いているか分かるようになり、他の動物にはないより高いレベルでのコミュニケーションが取れるようになった」
という旨の学説があると言うことを教えていただきました。(あくまで1つの仮説です)
これを聞いた時、なるほどなー!とちょっと感動したものです。生物の授業で教えてもらった中でベスト3に入るぐらい面白い説でした。
同じ哺乳類でも犬も猫も猿もうさぎも目の白い部分が(ないわけではありませんが)ほぼ見えません。したがって、人間に比べてどこを見ているか判別しづらい部分が確かにあります。
一方、人間は視線の動きがよく分かるので「アイコンタクト」と言う高度なコミュニケーションスキルを獲得していますよね。「目は口ほどにものを言う」といった諺もあるぐらいですし、社会性を武器にこの地球上を生き抜くためにきっと必要な進化だったのでしょう。
まあ、現代人にとってはえっちぃ視線もバレてしまうというデメリットもあるけどね
黒い目の人間
以上を踏まえると、冒頭で挙げたような目が真っ黒な人間は視線がどこを向いているか分かり辛いということができます。それはすなわち、何を考えているか分かり辛いという話にも繋がります。まさにそこに黒い目の人間の得体の知れなさからくる恐怖があるのではないでしょうか。
もちろん、ただ普通の人間と見た目が違うことに対する畏怖というのもベースにあるとは思うのですが、目が黒い人間から感じる恐怖はそれだけでは説明できないと思います。
もし普通の人間と見た目が違うことだけに恐怖を感じるのであれば、例えば人種や性別が異なるだけでも恐怖の対象になるはずですからね(そういう事例もありますが)
動物と人間の差
一方、動物の目が黒いことに対して恐怖を感じる人はまずいないと思います。
これは、もともと動物が何を考えているか分からないという前提があるからではないでしょうか。
相手が人間の姿をしていれば、コミュニケーションが取れるはずと言う無意識の心理がはたらくと思うのですが、目が黒いとそんな意識はかき消されてしまいます。その落差にこそ恐怖を感じるのだと思います。
盲目の方に対して
差別的な表現になるのでここに記述するか迷ったのですが、同じ原理で盲目の方に対して少し恐怖を感じてしまうことがあります。
「黒い目の人間」と同じカテゴライズで語るべきことでは決してないのですが、視線がどちらを向いているか分からないという意味で、共通する部分があると思っています。
盲目の方を貶めるつもりは全くありません。
ただ、人間の目の白い部分がコミュニケーション上で果たす役割を考えた時、その機能が失われることによる影響はこういう形でも現れるのではないかと言う一意見です。
白い目の人間
黒い目の人間とは正反対で、よくゾンビものの映画などには完全に白目を向いた人間も出てきます。あれも怖いですよね。
白でも黒でも視線が読取れないという点では全く同じなので、どちらが怖いかと言う甲乙はつけがたいように感じます。
さいごに
簡単にまとめると
- 黒い目が恐怖の対象になるのは視線が読取れないからという要素が大きい
- 視線が読取れないと何を考えているのか分かり辛い
- 何を考えているか分からない人間は恐怖の対象となり得る
という感じです。
以上!