高校3年生。ある冬の日のことです。
受験を控えた僕は個人が経営する塾に通っていました。僕を含めて4人だけしかいない小規模な教室です。先生の教え方が上手いかというと特別そんなことはなく、ただ勉強する場として惰性で通っているという感じでした。
僕が通っていた20:30~22:00のクラスの塾生は4人。僕以外の3人は全員女の子。基本的には受験対策を意識した3年生ばかりが集まっていましたが、その中に1人だけ2年生の子が通っていたんです。
ミズキさんと僕
僕は同じ塾の2年生の女の子、ミズキさんが気になっていました。通っている高校は違っていたので、顔を合わせるのは塾の時だけ。いつしか塾の日が来るのが待ち遠しくなっている自分がいることに気付きました。
なんとか彼女の気を引こうとキャラに似合わず笑いを取りに行ったりして、頑張っていた記憶があります。楽しそうに笑ってくれる彼女の笑顔が本当に魅力的でした。
そんな努力が功を奏したのか、メールアドレスを交換してお互いの身の上話をする程度の関係にはなることができました。
日をまたいでも連日続くメールのやり取り。今ではその内容をほとんど思い出せませんが、至福のひと時でした。
悩殺メール
とはいえ、プライベートで遊びに行くわけでもない微妙な関係です。
ただ、僕はそれだけでも十分だった。
しかし、予想外にもその均衡を崩しに来たのはミズキさんの方でした。
いつものように他愛ないメールをしていた時です。
「今日怖い映画観ちゃって、明日塾から1人で帰るの怖い。一緒に帰ってほしい」
そんなメールが送られてきました。
思わず2度見、3度見、そして保存。当時の携帯メールはすぐ容量が一杯になって古い物から順に消えて行ってしまいましたからね。
もちろん、即答でOKしましたよ。
「大丈夫だよ、俺がついてるから」なんつって。
問題の日
そしてその日。22:00過ぎの帰り道。
閑静な住宅街です。他に歩いてる人なんていやしません。2人きりの帰り道。まあ、その子の家までは15分とかからないのであっという間です。余り会話はなかったように思います。
見送り地点まで到達して、彼女が立ち止まってこっちを振返ります。
何か気の利いたことでも言えばよかったのかもしれませんが、特に僕から言うことも思い付きません。
なぜか立ち止まったままの彼女との間に不自然な沈黙が一瞬あった後、口を開いたのは彼女の方でした。
なにか、私に言うことない?
えっ。いや、特にないけど
そう。じゃあ、私帰るけどいいかな?
うん。またね。
答えを間違ったような確信はありました。
ただ、それ以外の言葉が全く思い付きませんでした。今にして思えばですが、彼女は僕の好意に気付いていたんだと思います。
この時、僕が答えを間違えていなければーーーーー
やれたかも委員会とは
主に男性の相談者が過去の「やれたかも」体験をやれたかも委員会の審査員たちに評価してもらう漫画です。
最終的に「やれた」「やれたとは言えない」の2択で判定され、3人の審査員の票が多かった方が判定結果となるというシュールな設定がクセになります。
基本的には2人の審査員(能島明、パラディソ)が「やれた」に票を入れる一方、唯一の女性審査員である月満子が「やれたとは言えない」に票を入れて、月が「なんで『やれた』にしなかったのか?」理由をコメントして締めるのがお決まりのパターン。
一部無料で公開されている話もあるので、まだの人は読んでみてはいかがでしょうか。
さいごに
冒頭の体験談は実話ですが・・・
こんな過去の経験を勲章にして生きてるって、男ってほんとにダメな生き物だよなー!(僕だけ?)
以上!