場面緘黙(ばめんかんもく)という言葉をご存知でしょうか?
簡単に言うと、特定の状況下でだけ全く話すことができなくなる症状のことをいいます。
主に子どもに見られる症状で、成長につれて自然に改善していくことが多いとされていますが、その原因や治療法についてはまだまだ研究が十分でないというのが現状だそうです。
場面緘黙について
こちらで分かりやすくまとめてくださっています。
場面緘黙とは、家などではごく普通に話すことができるのに、例えば幼稚園や保育園、学校のような「特定の状況」では、一ヶ月以上声を出して話すことができないことが続く状態をいいます。
僕は小学生の頃、まさにこの状態でした。
家では近所迷惑になるぐらい兄弟で大騒ぎするのに対して、学校に行くと一言も話しません。
両親にも「家ではよく話す癖に!」なんてからかわれていたので、おそらくそこまで深刻に考えられていなかったと思いますし、僕自身そこまで気にしていたわけではありませんでした。
なので、特に病院に行くこともなく、実際に医師から場面緘黙だという診断をされたわけではありません。
しかし、場面緘黙について調べれば調べるほど当時の自分の状況そのものだと思わずにはいられないんですよね。果たして真実はどうだったのか。
成長と改善
学校で一言も話さないにも関わらず、不思議と友人には恵まれて、中学生になったころには徐々に学校でのコミュニケーションを取れるようになっていきました。
「おとなしいヤツ」というポジションは抜け出せませんでしたが、小学生の頃よりずっと学校生活が楽しくなりましたし、人と話すのって大事なことだと子どもながらに思った記憶があります。
これで、場面緘黙の通説通り「成長とともに改善される」という形を僕も辿ったかに見えたんですが・・・
大人の場面緘黙
成人の場面緘黙の方もおられます。場面緘黙という「症状」を知らず、「自分の性格」と考えて、話せない自分を責めているケースもあるのではないかと思います。
もう一度、冒頭で紹介したサイトから引用させていただきます。
世の中には成人の場面緘黙も存在しているようです。
僕は大学に入ったころからでしょうか、両親と全く話すことができなくなりました。
小学生の頃とは完全に逆ですね。家の外では普通に離せるにも関わらず、家に帰ると全く話せないようになったんです。(兄弟は別)
友人に相談しても「おいおい、遅い反抗期やな!ww」と笑われるばかりで取り合ってもらえません。
でも、確かにただの反抗期なのかもしれない。自分でも原因は良く分かりません。
ただし、そんな状態が30を間近に控えた今でも続いているのはさすがに異常ではないでしょうか。
加えて言うと、嫁に対しても同じ状態です。
別に彼らが嫌いなわけではないですし、できることなら話したい気持ちはあります。
でも、「よし今日こそは!」と思っていざ本人と向かい合うとまったく言葉が出てこない。
こんな状態がもう何年にもわたって続いています。
病気・・・なのだろうか?
場面緘黙の認知度
ちなみに、僕も場面緘黙と言う言葉を知ったのは割と最近です。
「自分のように、特定の相手とだけ話せない人っているのかな?」と思ってネットで検索してみたのが場面緘黙という言葉を知ることになったきっかけ。
でも、いくら調べても子ども特有のものだという情報が大半で、今の自分とは関係なさそうだと思っていました。
ですが、冒頭で紹介したサイトのように、いくつか成人の場面緘黙について言及しているところもあるんですよね。もしかしたら自分も無関係ではないのかも、と感じています。
小学生の頃の症状は自然に解消しましたけど、もしかしたら当時何らかの適切な治療が必要だった、ということもあるのかもしれません。
この辺り、世間に全く認知されていなさそうな話なので、今後もう少し世間の理解が進んで、研究も発展していけば嬉しく思います。
発達障害と場面緘黙
場面緘黙の性質として、発達障害と似ているところが結構あるように感じます。周囲の理解を得られにくい点が特に。
発達障害についてはだいぶ世間に認知されるようになりましたが、場面緘黙はどうでしょうか。悩んでいる人が少なそうなので難しい部分もあるのかもしれませんね・・・
まあ、実際自分が場面緘黙かどうかも分からないのにこんなことを書いても不毛なんですけどね。
「ただの甘え」と言われても否定できない
以上!