男性で自分用のアイライナーを所持している方ってどれぐらいいらっしゃるでしょうか?
僕は自分用のアイライナー1本を所持しています。ついでに言うと、パフやメイク落としも持っています。何に使うか分かるでしょうか。
女装趣味・・・ではありません。
男性とメイク道具
答えは舞台メイク用です。
舞台と言っても別に大したものではなく、「多少かじった程度」と言うのもおこがましいぐらいにかじった程度ですが、一応舞台に立った経験があるので、その時に使ったものを今も所持しています。
なぜ舞台をするのに男性でもメイクが必要かと言うと、顔の輪郭を明確にするためです。
と言うのは、基本的に舞台は広い空間を使って行われるものなので、離れた席で観劇している人にとってはどうしても演者の顔が見えにくくなってしまいます。そうすると、いくら演者が表情を巧みに変化させたとしても、それを100%観客へ伝えることはできません。そこで、舞台メイクによって顔の輪郭を強調することで少しでも表情の変化を伝える力を補強しようというわけです。
特に今回のテーマであるアイライナー。
女性の方なら経験上ピンとくると思いますが、本当に目が大きく見えるようになるんですよね。舞台上では演者の目の動きも重要な表現要素の1つなので、大きく見せることで表現の効果をより高めることが可能となります。
舞台メイクいろいろ
アイライナー編
アイライナーを自分で使ってみて分かりましたが、ムラなく描くのって難しいです。特に僕は両目とも奥二重なので、なんだかアイライナーで目を突いてしまいそうで描いていてすごく怖い。
左右対称に描くのも難しいし、これを毎日やっている女性って本当にすごいなあ、と身を以て知ることができました。
ただし、舞台メイクはあくまで遠くの観客にまで表情を大きく見せるための工夫です。
したがって、女性の普段使いのメイクと違って、細部は多少適当でも問題ありません(とまで言うとプロの方に怒られそうですが)
なので、逆に至近距離で舞台メイクを見ると表情が強調され過ぎてすごい不細工に見えるんですよ。
よく漫画なんかで女装したオッサンがかなりケバい感じのメイクで描かれていますが、アレに近いものがあると思います。
お互いの顔を見てなんとなくニヤニヤしてしまうのは舞台裏のちょっとした楽しみな気がする。
ドーラン編
アイライナーとは違いますが、舞台メイク繋がりでもう1つ。
舞台上ではドーランというものを首から上全体に塗りたくります。
ドーランとは化粧品の一種で、主に舞台演劇などの用途に使われる油性練り白粉のことである。
僕は舞台に関わることでこんな化粧道具があることを初めて知りました。余り一般には馴染みがないアイテムなのかもしれません。
女性の化粧で言うとベースメイクに該当する部分になるでしょうか。
これもアイライナーと同じ理屈で、顔が舞台照明に負けて遠くから見てぼやけてしまわないよう強調するために塗ります。これを塗るために僕は自分用のパフも買いました。
これ、塗った瞬間とんでもなく肌に悪いのが直感で分かります。なんかヒリヒリするんですよね。肌が弱い人だと洗い流した後もヒリヒリした感じが残って結構辛いです。
舞台上にいると結構汗をかきますから、汗に負けないようなかなか落ちにくい性質を持っており、服に付いてしまうと洗ってもほぼ落とせないというシロモノ。
女性の化粧も肌に良くないとは聞きますが、言ってしまえば肌に異物をつけたまま日中ずっと過ごすのって、普通じゃありません。
毎日化粧をする女性の立場など分かるはずもありませんが、舞台メイクでドーランを塗ることでなんとなく化粧品が肌に負担をかけるものだというのは体感できた気がします。
あれが毎日とか考えるだけで憂鬱
口紅編
メイクと言えば、他には口紅も使いました。
これは自分用の物は買わなかったのですが、なんとも違和感があるものですね。塗り方は筆のようなもので紅から色を取って唇に塗っていく感じ。
唇が乾燥してくるとどうしても舐めたくなってしまうのですが、口紅が付いているとなんだか舐めるのに抵抗があって落ち着きません。
ここでもやっぱり女性は大変だなあ、という感想。それに尽きます。
さいごに
以上、アイライナーと言うより舞台メイクがテーマの話になってしまいました。
こんな機会でもなければなかなか化粧をする機会などないので、ある意味貴重な経験ができたと思います。
普通のメイクとは若干勝手が異なるとは言え、やっぱり男性の演者に比べて女性の演者の方が手際よく準備を済ませていたのが印象的でした。
慣れってすごい!
男性でもこんな感じでメイクをすることがあるんだよ、ということがふわっとでも伝われば幸いです。
以上!