例えば、まだ足元がおぼつかない小さい子どもが走り出した時「走ったら危ないよ!」と注意する。
そうしてしばらく走った後、案の定子どもが転んでしまう。その時に「だから走ったらダメって言ったのに!」という言葉は絶対にかけちゃいけないと思うんです。
今回は思わず口を突いて出てしまうこのセリフに隠れた心理について考察します。
なぜ「だから言ったのに」は良くないか
「だから言ったのに!」という言葉は詰まるところ自分の正しさを相手に押し付けているだけです。そこに相手への気遣いはありません。
言われる側の立場になって考えてほしいのですが、あなたが他人から事前に「それはやめておけよ」と止められていたことに「いや、やってみなきゃどうなるか分からないだろ!」という気持ちで思い切ってチャレンジしてみたとします。
その行為自体素晴らしいことじゃないでしょうか。なんでもかんでも他人に禁止されたことをそのまま受け取っていたら何もチャレンジできない人生になってしまいます。
しかし、チャレンジしてみた結果がやはり失敗だったとしましょう。そこで残念な気持ちに追討ちをかけるように「ほらな、俺の言ったとおりだろ?」なんて言われて「確かにこの人の言う通りにしておいた方が良かったな」と素直に受け取れるでしょうか?
おそらく、ほとんどの方が良い気持ちはしないはずです。
なぜなら、そう言ってきた相手は失敗をしたあなたを気遣うことなく、自分が正しかったという自慢をしてきているからです。
さらに最悪なシチュエーション
実は僕もこのセリフを無意識に使いそうになってしまうことがあります。
最近だと「だから片付けといた方が良いって言ったやろうが!」という言葉をすんでのところで飲み込んだ記憶があります。
しかし、冷静になって思い返してみると、そもそも事前に「片付けた方が良いよ」なんて言ってすらいなかったのです。
言われる側からするととんでもなく理不尽な話ですよね。我ながら酷い話だと思います。
しかし、これは僕に限った話ではないはず。
事前に何も言っていなかったにも関わらず、相手が何か失敗したタイミングで都合よくしゃしゃり出てきて「だから言ったのに。」なんて言い出す人間はロクなヤツじゃありません。
心当たりがある方は意識してやめてみることをお勧めします。どんどん周りから人がいなくなってしまう可能性大です。
余裕がない人の言葉
「だから言ったのに」と、わざわざ自分の正しさを証明したがるということは、そうやって自分が正しいことを主張しないことには自分の価値を感じられないぐらい自信のないことの表れではないかと思います。
自分が満たされていて心に余裕がある人がこんな惨めな言葉を口にするでしょうか。余り想像できないですね。
ついつい「だから言ったのに」が口を突いて出てしまった時は自分が今余裕を失っていないかどうか客観的に見つめてみるのもいいかもしれません。
失敗した相手を嘲笑しない
失敗した相手には気遣いを見せられる余裕があることが一番です。
注意しても走り出す子どもが転んでしまったら、まずは「大丈夫?」
思い切ったチャレンジが失敗に終わった友人には「よくやったよ」
そんな言葉が自然に出てくる方がお互い嬉しいはずです。
気持ちにゆとりを持って「だから言ったのに」が少しでも減るようにしていけたらいいですね。
以上!